駐在子育て with コロナ in ニュージャージー

2020年のコロナ禍、初めての駐妻生活がアメリカ、ニュージャージーの地でスタート!中学生&小学生の駐在子育てブログです。

現地校 Middle schoolのESLは何を学ぶか

ESLとは、English as a Second Languageのことで、英語を第二言語とする人のためのプログラムです。NJでは、多くの小学校、中学校、高校にこのプログラムがあります。

 

 ESLプログラム

形態

学校がESLプログラムを提供しているかどうかは、学校のHPで確認する事ができます。娘の通うMiddle Schoolは「取り出し型」の授業を行っており、他の生徒たちがLanguage Arts (日本でいう国語)を学んでいる時間に、対象生徒だけ別教室でESLの授業を受けています。周りの学校もこの形態が多いようです。対象生徒が少ない場合は、ESLの教師が通常クラスに同席して対象生徒をサポートすることもあるようです。生徒はアジア系の子が多いようです。

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テストとクラス編成

通常は、まずレベルチェックのためのテストを受けることになります。娘が受けた内容は、①絵を見て分かることを説明する、②短い文章を読み、選択問題に答える、③やや長い文章を音読する、といったものでした。

学校によっては、レベル別にクラスを編成するようです。娘の学校は、学年別のクラス編成です。ESLの対象生徒が少なければ、全員一緒に授業を行うこともあるようです。

 

授業内容

テキスト

日本の「英語の教科書」のような共通テキストはありません。ですので、通う学校や先生によって、取り扱っている内容が異なっているようです。

ボキャブラリー、文法

ボキャブラリーや文法を取り扱っている先生もいると思うのですが、娘のMddile schoolの場合、文法を習う時間はほぼありません。日本のように「中学1年生が習う単語&文法の範囲」といった学び方はしません。

読書

娘のMiddle SchoolのESLの内容は、とにかく「読書」でした。与えられてた本を読んで、感想を書いたり、質問に対して答えを書いたりします。

と言っても、編入した当初はとても本を読むレベルではなかった娘。先生からは「好きな本を何でも選んでいいよ」と言われました。アメリカでは電子図書を読めるサイト (Epic、Learning Allyなど)がたくさんあり、学校でアカウントを作ってくれます。こういったサイトでは、音声を聞くこともできます。

漫画に近いような本が課題になることもあります。絵が多いから分かりやすいだろう、といことだと思うのですが、漫画ってなぜか全て大文字なんですよね・・・。

これは編入した1~2ヶ月後くらいに読んだ本ですが、けっこう難しくないですか!?娘は音声を聞き流しながら、絵からなんとなく想像していたようです。

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日本の英語教育しか知らない私は、「どうして読書?文法や単語練習もせずに読めないでしょ?」と思いましたが、考えてみると私たちも子供の時に絵本から日本語を吸収しましたよね。その時には、文法などは意識せずに読んでいたはず。それと同じことなのだと思います。アメリカでは日本以上に読書を子供たちに推奨している印象を受けます。たくさん本を読むことによってボキャブラリーを増やしていくのでしょうね。

エッセイ

読書を通した勉強は、学年があがるにつれて「エッセイを書く」勉強に繋がっていくようです。

日本で読書をした後に書かされるのは「読書感想文」ですが、アメリカでは「literary essay」を書く練習をするようです。エッセイとは、日本でいうところの「小論文」に近いものです。「Introduction(導入)」、「Body paragraph(ボディパラグラフ)」、「Conclusion(結論)」という、主に3つの構造で書き、Body paragraphで自分の主張とそのエビデンス(通常3つくらい)を説明します。

 

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literary essayを書く前段階として、

  • この本のThemaは何か、Topicは何か?
  • どうやって主張を述べるか?

と言ったことも教わりました。

これらのスキルは、社会の授業などでも「資料を読解して、自分の主張とエビデンスをまとめなさい」というように活用されます。

会話

日本の英会話スクールにある「日常会話の練習」のようなものは、少なくとも娘の学校の授業の中にはありません。月曜の授業が始まる前に「週末何したの?」とスモールトークをするくらいでしょうか。

ところで、娘のESLの先生はネイティブの先生ですので(学校によっては英語が第二外国語の先生もいる)、話すスピードが普通に速い!いや、普通よりはゆっくり話してくれているのかもしれませんが、私からしてみたらペラペラペラ~みたいな速さです。

 

感想

上記に記載したのは、あくまでも娘のMiddle SchoolのESLの例です。学校や先生によって進め方は様々です。ただ、娘を見ている限り、ESLはいわゆる日本の英語教育とまったく別物でした。また、ESLで英語がものすごく強化される、ということではなく、他の授業や周りの人の会話の中から、子供たちはボキャブラリーやよく使うフレーズを総合的に吸収していくように感じます。

娘は、ESLの授業に参加した初日、内容の難しさ、先生の話すスピードの速さ、他のESL生徒たちのレベルに「これって本当にESLなの?ムリ!!」とおびえていました。でも、次第にESLの先生と仲良くなり、通常の授業にESLで一緒のお友達と顔を会わせるとととても心強かったようでした。